この記事では WooCommerce を利用して構築したショッピングサイトを長く使うためのポイントを紹介しています。
WooCommerce はWordPress上で簡単にショッピングストアを構築することができるプラグインです。関連するアドオンも豊富なので、ショッピングサイトの他に、オークションサイトなど様々な商取引に使えるサイトを手軽に構築することができます。
しかし、いきなりプラグインを導入して構築したサイトでも公開当初は稼働しても、時間の経過とともにトラブルを抱える可能性があります。
サイトの成長と共に、商品ページの読み込みが遅い、せっかくの拡張機能が使えないなどのショッピングサイトで発生する日々の課題や、突然のデータの破損や、セキュリティ低下による情報漏れなどの深刻な問題が発生する場合があります。
これらの問題はすべて利用者に影響を与えてしまい、サイトの売上に大きな損失を与える結果になります。
WooCommerce を使ったショッピングサイトで安定した収益を得るには、長期的な利用者へのパフォーマンスを目指して構築する必要があります。
信頼性の高いサーバーを選ぶ
WooCommerce は、高機能で柔軟性の高いソフトウェアです。その機能を最大限に発揮するには、できるだけ多くのリソースが利用できる環境が必要です。
そのためには、できるだけ高機能なサーバーが利用できるホスティング会社を選ぶ必要があります。
公開した当初ショッピングサイトでは安定して動作したサーバーでも、サイトが成長してより多くのリソースが必要になるにつれてパフォーマンスが低下していきます。
一般論ですが、サイトの処理能力が低下してショッピングサイトの表示が遅くなっている場合、利用者はサイトを離脱して、売上に影響を与える可能性があります。
この状況を回避する方法は、サーバーの能力を段階的に拡大できるプランを用意できるホスティング会社を選択(または移行)することです。このようなホスティング会社は、次のようなポイントで選ぶことができます。
- 年中無休24時間体制のサポート
サーバーで問題が発生した場合にサポートを受けることができ、チャットなど、素早く連絡が取れるサポート体制なども検討するポイントです。 - 柔軟なアップグレードプラン
必要に応じてハードドライブの容量、メモリ、帯域幅などを拡張、縮小できるプランがあれば、サイトの成長に応じて最適な環境を用意できます。 - WordPress ベースのサイト用の管理されたホスティングオプション
より多くのリソースを得ることができ、重要なセキュリティ更新やその他のWordPress 固有のニーズに対する負担を軽減できます。
他にも、実際に使っている人を探して意見を聞いてみたり、ホスティング会社に直接問い合わせをして詳細を確認することも重要です。
サーバーのパフォーマンスは、プランの料金に必ず比例します。売上が多いショッピングサイトは月額200円のホスティング会社では運営されていません。
売上が軌道に乗ることを前提にして、後でリソースがアップグレードできるようなプランを持っているホスティング会社を選ぶことが重要です。
稼働日からサイトを保護する
サイトを所有している場合は、必ずハッキングのターゲットになります。まさかと思われるかもしれませんが、ショッピングサイトに限らず個人情報を保存していそうなサイトであれば、必ず狙われます。
規模や種類は関係なく、利用者の個人情報やクレジットカードで決済を行っていそうなサイトは、必ず犯罪者や悪意のあるハッカーの攻撃対象になります。

WooCommerce を利用したサイトのセキュリティは、それほど時間はかかりません。アドオンなどの設定を適切に行うことで、データを安全に取り扱うことができます。
その他に、セキュリティ対策としての次のようなポイントを紹介します。
- 複雑なパスワードを利用する
- 2段階認証(メール、SNSなど)を利用する
- 既定値のIDやパスワードなどは利用しない
- Wordfenceプラグインを利用する
サイトが存続している限り、悪意のあるハッカーのターゲットになりますが、セキュリティに問題がなければ、ハッカーは諦めて別のサイトに移動していきます。
また、その他にも保護する方法はたくさんあります。ショッピングサイトのセキュリティに関するヒントは、WooCommerce を初めて使う人でも、既に使用している場合でも有用なので試してみてください。
バックアップを使用してデータを保護
ショッピングサイトには、顧客の個人情報、商品の詳細仕様、紹介コンテンツなど、重要なデータが数多く保存されています。有名なホスティング会社でも大規模な障害が発生し、すべてのデータが消失するリスクを抱えています。
例えば、サイトのデータが消えてしまった場合に考えられる作業は
- プラグインやアドオンのインストール作業
- 商品データ入力
- サイトの設定作業
- 顧客への謝罪
など、復旧に向けて膨大な時間を費やすことになります。
そのために最悪のシナリオへの準備をしておくことで、膨大な時間を費やす手間を省くことができストア運営を継続することができます。
サイトで自動バックアップ、バックアップから簡単に復元、復元時のエラー処理(ロールバック)できる、XCloner プラグインを紹介します。
高機能なプラグインを利用することで、突然のデータ消失などに備えることができ安心してショッピングサイトの運営を続けることができます。
信頼できるソースからアドオンを選択
WooCommerce でショッピングサイトを構築する利点は、アドオンで機能拡張ができることです。必要なアドオンを有効化するだけで、サイトで新しい機能を追加することができます。
しかし、プラグインなどの拡張機能の更新や保守は、普段から見過ごされがちな問題です。
利用しているアドオンやプラグインを更新していない場合、サイトのパフォーマンスに大きな影響を与えている可能性があります。アドオンの利用頻度やプラグインが複数使われている場合、著しく悪影響を与えかねません。

ストアで利用するアドオンやプラグインを選択するときのポイントを紹介します。
- WordPress および WooCommerce の利用バージョンとの互換性
- 互換性を維持とバグ修正などの更新
- サポートの応答時間や方法
更新の頻度が数か月または1年以上更新がなかった場合は開発が終了しているケースが多いので利用しない方が賢明です。
無料の場合には特に注意が必要です。利用者からの質問への回答が無いような場合には別のプラグインを探します。
例えば、利用していたアドオンが WordPress のメジャーアップデートで動作しなくなった場合、サポートに連絡しても問題が解決されずサイトで商品が販売できなくなる可能性があります。
また、評価の高い開発者が提供する拡張機能を選択すると、メジャーアップデートが発生する前に互換性に関するテストが行われるため、更新時のトラブルを低くすることができます。
メンテナンスが最優先
ショッピングサイトを長く稼働させるための最後の方法は、維持し続けることです。
つまり、WordPress や WooCommerce 、その他のプラグインやアドオンをすべて最新の状態に保ち続けることです。また、セキュリティの更新やサイトへの設定変更などを定期的に行い、利用するすべての機能が確実に動作する環境を提供し続けます。
そのためには、作業するための時間を確保することも重要です。ストアの規模や利用しているプラグインやアドオンの数によって作業に費やす時間は変わり、毎週、毎月などの期間によっても確保する時間が異なってきます。
メンテナンスや更新作業のために毎月の予定を作成することをおススメします。
例えば、あなたのスケジュールに毎月の第2木曜日に更新の予定を追加したとします。予定する時間帯はサイトによって変わりますが、更新に最も都合がよい時間帯を設定しておきます。
あるか分からない作業を、あらかじめ予定するのは面倒に思えるかもしれませんが、事前に予定にしておくことで、突発的な更新の発生で通常の業務が中断されることはなくなります。
もし更新が無ければ、別の作業に時間を割り当てることができるのでスケジュールに余裕が持てるようにもなります。
このように更新の時間をあらかじめ確保しておくことで、更新作業を優先することができるようになり、ショッピングサイトを常に最新の状態で維持する余裕が生まれます。
長く使えるサイトを構築するポイント
WooCommerce を利用することでショッピングサイトを簡単に作ることができます。また、豊富なアドオンを使って必要な機能も自由に追加することができます。
しかし、ショッピングサイトを準備するだけでは、利用者が長く使えるサイトを稼働させることは出来ません。
今までに紹介した、サイトを構築するポイントをまとめます。
プラグインやアドインによって、ショッピングサイトを簡単に構築できることは素晴らしいことですが、サイトを長く稼働させるためには、構築したサイトを常に最新の状態に維持管理していくことが最も重要なポイントです。
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